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「シェフ達のヒーローズ・ジャーニー

有限会社ドゥーイング  代表取締役  山田 裕二 氏 

系列店 レストランバー 「マカロニクラブ」 「ゴーゴーバー」 ワイン・チーズ&天然木「ウニコ」


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岐阜県恵那市で、日本人の父と韓国人の母との間に生まれる。
高校生の時から飲食業のアルバイトをしてきた。

自分の目指す職業を考えた時、
「あったら楽しいもの」「なくてはならないもの」と
お酒に関連した飲食業を選んだ。
生涯やれる安定した業界だと思った。

卒業と同時に名古屋へ。
先ずは錦のレストランバーで働く。
以前のようにハシゴをするような呑み方が減ってきて
一軒の店でワンストップで済ます傾向が強くなってきた時代であった。
居酒屋もお酒の種類を増やし、なんでも呑めるようになってきていた。

例えば、フレンチレストランでアぺリティフに始まり、
メイン、チーズ、デザート、コーヒーのフルコース。
こういうスタイルを否定するわけではないが
週末に何軒かの店を廻って楽しむ飲食スタイルを反映させた
店づくりをしたいと山田氏は考えていた。
これが後々の開業へと繋がっていく。

この後、彼にとって重要な経験が待ち受けている。
次に転職したのは、名古屋で飲食店を当時20店程展開する
企業であった。
すぐに、才能を見込まれ4店舗を任される。
若くして複数の店を切り盛りする、若手社員のあこがれの存在になった。
社員を活性化し、勢いを付けるために企業トップが仕掛けた戦略ではあった。
しかし、そのことを敢えて納得した上で自分も振舞っていたと当時を振り返る。

しかしどこかに限界を感じ始めてやがて退職する。
そこからは今しかできないことをやろうと海外へ飛び出す。
30カ国、50都市を訪ねる。
ヨーロッパ、アジア・・・・
飲食業にいてはできない遊びや生活、体験を思う存分やり尽くした。
この時の体験は、現在毎年行うスタッフの海外研修旅行に活かされている。
店を支えてくれるスタッフに海外の文化に触れるチャンスを会社として
提供していこうというポリシーである。
この規模の飲食店企業でこのような海外研修を行っているという話は
聞いたことがない。
まさに山田氏のなせる技である。

海外からもどると、1,2店の知人のバーを手伝った後、独立する。
1号店は「マカロニクラブ」、名古屋・錦のドン真ん中の好立地。
お酒やカクテルの種類は幅広く顧客のニーズをがっちりつかむ。

殻つきのマカデミアナッツをくるみ割りの道具を使って客に割らせる。
女性客に好評の演出である。

タバスコソースの品揃え(辛味の少ないものからデスdeathソースと言われる
激辛ものまで)もこの店が走りであったと思う。

ウォッカの透明の瓶の中に大きな赤トウガラシを漬け込み
トマトジュースやクラマトジュース(ハマグリエキスのトマトジュース)で
割って出す。
赤トウガラシの本数によって
「1辛」「2辛」「3辛」・・・・と客に選ばせる。
客を面白がらせる趣向である。

客層も様々
食事を兼ねて早い時間訪れるカップル(もちろん場所柄同伴客も多い)
待ち合わせの時間つぶしに立ち寄る一人客(私もよく利用させてもらった)
二次会としてのグループ客
グラブやラウンジのアフター客
仕事空けの飲食店のスタッフ
週末は、休みを楽しむ若い客が増える。

まさに山田氏の理想とする
あらゆるニーズに対応した見事な店づくりである。
料理も素材の品質にこだわりレベルが高く
スタッフの接客も着かず離れず心地よい。
まさしく居心地のいい店である。

2号店は「ゴーゴーバー」
「ゴーゴーバー」とは本来はタイやフィリピンで
ステージで「踊る女性を見ながら食事をする風俗店に近いものである。
大胆なネーミングである。
しかし、この「ゴーゴーバー」には当然、踊り子さんはいない(笑)
南国をイメージしたトロピカルなバーである。

料理には鉄板焼きが加わり、
リーズナブルなワインの品ぞろえにも力を入れる。
上からネーブルオレンジがコロコロ落ちてきて
自動でオレンジジュースをつくるマシンもある。
相変わらず女性受けを狙った戦術である(笑)

オレンジやグレープフルーツが山積みのバーカウンターは
良いバーの証しである。
フレッシュなフルーツジュースでのカクテル作りはポイントが高い。

3号店は「ウニコ」
チーズ・ワイン&天然木がテーマの
1号店と2号店のいいとこ取りの店である。
大人がゆったりとくつろげるバーレストランである。
事前に予約すればお値打ちなコース料理も出してくれる。

また、ある時予約をしようと思い、電話をすると
電話に出たスタッフがいきなり
「名倉さん、こんにちは!」と言うのである。
一瞬なんで私とわかるの?と思ったが、仕掛けはすぐに判明した。
電話機に私の携帯番号が登録してあったのである。
些細な事だが客にとって「プチ常連」を楽しめるよいサービスである。

そして、山田裕二氏は言う
「私はこの業界において、テニスを選ばず、サッカーを選んだ」
すなわち
「私は一芸に秀でたシェフでもないし、ソムリエでもない(テニスプレイヤ―ではない)、
スタッフ一人一人の才能で成り立つチーム(サッカー)としての飲食店を
作りたい」
まさしく彼のコンセプトを言い当てた言葉である。

チームとして、店のオープン時間に向けて、逆算して段取りを付けていく。
これがうまく動くとうれしい。
そしてメニューを置かない店は好きではないと言う。
キチットした計画性があれば、仕入れから調理、提供と
年間通して安定したオペレーションが組める。
仕入れによってその都度メニューや値段が変わるのはおかしいと考える。
本当のお勧め商品とは何か?
客にとってのお勧めなのか?
店にとってのお勧めなのか?
店にとってのお勧めでは困るのである。
勘違いしている店も少なくない。

通常、一般的には飲食業は人材が定着せず安定しない。
結婚をして、子供をつくって、家を建てて豊かな人生を送る。
特に中小零細の飲食業にとってはそんな人生設計をスタッフに
提供することは難しいと思われている。
しかし、山田氏は可能であると言いきる。
実際に彼自身も、そしてスタッフの中にもそんな安定した人生を歩み始めて
実例がある。

また、このようにも語った
「私は飲食業にとりつかれている。」
「病気なくらい、寝ても覚めても飲食業の事を考えている。」
他の店を訪れても、様々な事が気になって、食事を単純に楽しむことが
できないくらいである。

極めるということは24時間そのことで頭がいっぱいということであろう。
そこまでいかないと本物にはなれない。
まさにそういうことである。

彼のつくる4号店がどうなるのか楽しみである。

                                   取材  名倉裕一朗 2012.04.27.

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